その子が近づくだけで、ばい菌扱いしている人もいた。
でも私は、その子とも普通に話したり、お互いに描いた絵を見せ合ったりしていた。
周りからは『なんであんなのと友達でいられるの?』と思われていたようだった。
彼女とは幼稚園の頃から一緒のクラスだった。
彼女は体のある部分が機能していなかったので、外見だけで判断されやすかったんだろう。
好きでそんな体になったんじゃないのに、クラスから孤立して、ばい菌扱いまでされるのは違うと思った。
でも、子供は残酷だ。
彼女は何も悪いことはしていない。
あの子はとても明るい子。
私はそれを知っていたし、クラスメイトが彼女の性格を勝手に作り上げてしまったことも分かっていた。
そんなことをしているクラスメイトとも、私は普通に話したりしていた。
それでもみんなは私のことを『暗くて絵ばかり描いている子』と分類していたのかもしれない。
クラスの仲良しグループで、一人意地悪な子がいた。
その子のいうことは絶対だった。
その子の趣味は、いわゆる
シカト。
仲良しグループの中の誰か一人は、必ず標的になるのだ。
私はその標的にされやすく、
週に1度のペース。期間も毎回長かった。
理由は、同じ人を好きだったから・・・。
自慢じゃないが、そのせいか、私はシカトする側に回った経験があまりない。
シカトする側に回った時も、シカト対象と普通に話してしまい、
即行でシカト対象にされた。
昨日まで仲良く話していた仲良しグループの友達が、皆話してくれなくなる。
ある日私に、いつものようにシカトの周期が訪れた。
私は悪いことをした記憶は何もないので、当然のように謝ったりしなかった。
その間私は、他のグループの子やいじめられっこと、普通に話したりしていた。
しばらくたって、シカトを命令した子以外の子が、全員私に謝ってきた。
その子達は私に、
『あの子はシカトされたことがないから、私達の辛さなんて分からないんだよ。
いつ自分が標的の番になるか考えながら遊ぶの嫌。もう一緒に遊ぶの止めたい』
と言ってきた。
結局皆でその子に手紙を書くことにした。
放課後その子をトイレに呼び出し、手紙を読んでもらった。
その子は初めて泣いた。
私達には衝撃的だった。
何か文句を言われるに決まっていると思っていたからだ。
そのくらい私は、シカトされている時に、彼女からたくさんの文句を言われてきていたのだ。
次の日その子は私に謝ってきた。
これでもう大丈夫、そう思っていた。
でも、その数日後、私は再びシカトの標的にされた。
なんて性格のひん曲がったヤツだ。もううっとおしいとすら思っていた。
同じ人を好きなだけで、こんないじめにさらされるなら、一緒にいない方がいいと思った。
私は、そのままそのグループから外れた。
しばらくすると、私というシカト対象が一人減ったそのグループは、
シカトの周期が余計早まった。一人抜け・・・また一人抜け・・・
最終的に、皆がその子から離れた。
いじめは嫌だ。
最低だ。
やられたらやり返す。
私がやり返さなくたって、必ずいつか、自分に戻ってくるんだから。
言いたいことがあるなら直接言え。
『性格が暗い』のは、いじめをするヤツ。
グループでしか強くいられない。
女ってつるむの好きだよね。
でも、その中に親友はいるのかな?
男は楽しそうだ。
遊びも本気。
ケンカも本気。
ケンカした後のしこりも無い。
そして同性の友達との約束は堅く守る。
何より、
男が浮気しているときの男友達の口は、最高に堅い。それに比べて、女の友情は薄っぺらい。
ああ、今尚男になりたい。
生まれ変わったら絶対女になりたいって男の人は、果たしてどのくらいいるんだろ。(謎